それ 神殿[しんでん] 巍巍[きぎ]として 空[そら]にそびゆる 勝男木[かつおぎ]も 悪鬼[あっき]を起[お]こす 黒雲[くろくも]に そこかとばかり 宮柱[みやばしら] 北野[きたの]の奥[おく]の ほこ杉[すぎ]に 魔界[まかい]の響[ひび]き どうどうと 火炎[かえん]の光[ひかり] ひらめきて 朱[あけ]の玉垣[たまがき] 廻廊[かいろう]も ゆるぎにゆるぐ 有様[ありさま]は ものすごくもまた恐[おそ]ろし