舞囃子[まいばやし]「西王母[せいおうぼ]」
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◆謡[うたい]のことば
剣[つるぎ]を腰[こし]に提[さ]げ
晨纓[しんねい]の冠[かんむり]を着[き]
玉殤[ぎょくしょう]に盛[も]れる桃[もも]を侍女[じじょ]が手[て]より取[と]りかは[わ]し
君[きみ]に捧[ささ]ぐる桃実[とうじつ]の
花[はな]の盃[さかずき]
とりあへ[え]ず
花[はな]も酔[よ]へ[え]るや盃[さかずき]の
花[はな]も酔[よ]へ[え]るや盃[さかずき]の
手[て]まづ遮[さえぎ]る曲水[きょくすい]の宴[えん]かや御溝[みかわ]の水[みず]に
戯[たわむ]れ戯[たわむ]るる
手弱女[たおやめ]の
袖[そで]も裳裾[もすそ]もたなびきたなびく
雲[くも]の花鳥[はなとり] 春風[しゅんぷう]に和[か]しつつ
雲路[くもじ]に移[うつ]れば王母[おうぼ]も伴[ともな]ひ[い]攀[よ]ぢ上[のぼ]る
王母[おうぼ]も伴[ともな]ひ[い]上[のぼ]るや天路[あまじ]の
行方[ゆくえ]も知[し]らずぞ なりにける